付けてると「こいつ、わかってるな～」と思われる腕時計って？

アスリートWATCHIing～腕時計から見るスポーツの世界～

スポーツ×時計のパートナーシップには、ふたつの法則がある。

　ひとつは「知名度の向上」。多くの人目に触れるサッカーやモータースポーツ、あるいはオリンピックのようなメジャースポーツの場合は、宣伝効果が非常に高いため、時計メーカーから好まれる。

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　もうひとつは「世界観の共有」。テニスやゴルフ、ヨット、あるいはポロやホースレースなどのラグジュアリースポーツは、文化や伝統を尊ぶ上質な世界観を持っているため、高級時計との親和性に優れている。

　しかしながら、上流階級が発祥のメジャースポーツという両方の法則を満たしているのに、不思議と時計業界とは縁が薄かったのが「ラグビー」である。

　イギリスの上流階級の子弟が通う名門パブリックスクールの伝統的な人気競技でもあるラグビーには、”One For All，All For One”（ひとりは万人のために、万人はひとりのために）や”noblesse oblige（ノブレス・オブリージュ／高貴なるものの義務）”の様な、高潔な精神を表現する言葉が多い。そもそも試合終了を意味する”ノーサイド”とは、「戦いが終われば敵味方関係なし」という意味である。

　高潔な精神とスポーツマンシップを持ち、しかもオリンピック競技（7人制）になるほどのメジャースポーツなのに、時計業界と縁がなかったのは不思議だ。理由を挙げれば、時計メーカーの多いスイスではラグビーがメジャースポーツではない（同様の理由でベースボールと高級時計の関係も希薄）から、という事になるのだろうか。

　そんな中、唯一ラグビー界とつながりを持つのが「ブルガリ」だ。

　ブルガリと言えば、ローマ発祥のラグジュアリーブランド。誰もが華やかなジュエリーをイメージするが、実はウォッチメーカーとしても高い評価を受けている。

　とくに2000年にブルガリグループを結成してからは、さまざまな有力サプライヤーを傘下に収めることで時計技術を蓄積し、遂には”一流の証”といえる自社製ムーブメントの製造にまで着手。「ローマのデザインをスイスの技術で完成させる」というモットーは、着実に時計愛好家に浸透している。

　華やかなイメージを持ちつつ、実は骨太な時計作りに邁進するブルガリがパートナーシップを組むのは、ラグビー界の最強チーム「オールブラックス」だ。

　ラグビーニュージーランド代表の愛称であるオールブラックスは、ワールドラグビーランキングの第1位で、2011年に自国開催したワールドカップでも優勝した強豪。黒地に白いシルバーファーン（シダの一種）をあしらうデザインは、ラグビー界随一のブランド力を誇る。

　しかしながらブルガリは、”有名だから”という理由でパートナーシップを組んだ訳ではない。

　ニュージーランドには先住民族であるマオリの人々が住んでいる。彼らは19世紀後半から欧州系白人と一緒にラグビーをプレーすることで交流してきた。現在では多くのマオリ系選手がオールブラックに選出されているし、試合前にはマオリ族の戦いのダンスである「ハカ」を踊る。つまりオールブラックスは、人種を超えて団結する象徴なのである。

　ここにブルガリは惚れ込んだのだ。

引用元
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1418206174/