時計じかけの名無しさん
バージ脱進機とフュジー(ゼンマイの力を均一化する部品)を組み合わせたムーブメントを搭載したこの懐中時計は、ジャン・アントワーヌ・レピーヌという著名な時計技師が1770年ごろに作ったものだ。レピーヌは「レピーヌ・キャリバー」っていう精度に改革をもたらしたキャリバーを開発したことで有名。彼の発明の中には、いまだに動き続けてるものもあるくらいだ。当時も時計技師として世界中に名を知られていて、1762年にはマスター・ホロロジストになった人物だ。このムーブメントは柱に囲まれている。頭蓋骨の頭部分にはサトール・スクエア(サトール方陣とも呼ばれる)が刻まれている。クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET テネット』はこのサトール・スクエアを元に作られた映画だ。サトール・スクエアはラテン語の回文で、その起源はポンペイ遺跡の時代まで遡ると言われてる。
時計じかけの名無しさん
この人の名前聞いたことがある。超有名だったんだよね。その名声が今でも語られてるなんてすごいことだ。
時計じかけの名無しさん
映画のリサーチのためにノーラン監督が過去に飛んで『TENET テネット』販促品として作らせてたとしたら?ぶっ飛ぶな。
時計じかけの名無しさん
これはすごい!ちゃんとした状態なら精度はどれくらいだと思う?この頭蓋骨モチーフも魅力的。何かいわれがあるのかな?
時計じかけの名無しさん
残念ながら、この時計全く正確じゃないんだ。ちゃんと動くんだけどね。「メメント・モリ(ラテン語で『死を忘れるな』という意味で、芸術作品のモチーフとして広く使われている)」の芸術品をたくさん集めてるんだけど、この時計はそのコレクションの1つとして買ったんだ。18世紀は「自分はいつか必ず死ぬ」という考えが文化の中核を成した時代なんだ。50まで生きればいい方だったからね。ラテン語には「tempus fugit(時は飛ぶ、光陰矢の如し)」っていう成句もある。時はあっという間に去るから無駄に過ごすべきではない。だから「メメント・モリ」、つまりいつか死ぬことを忘れるなって意味なんだ。
時計じかけの名無しさん
懐中時計をたくさん扱ってきたけど、メメント・モリの頭蓋骨懐中時計は5000〜10万ドル(約55〜1100万円)ぐらいはした。サイズやケースの材質によるけどね。個人的にいくらだったのか興味あるな。
時計じかけの名無しさん
値段は4桁の低い方。
時計じかけの名無しさん
100%呪われてるな。
時計じかけの名無しさん
同感。俺に送ってくれ。喜んで呪いに耐えてみせる。
時計じかけの名無しさん
ぱっと見すごいと思ったけど、1770年製だなんて半端ないや。その時代でもこんな時計入手するの大変だったろうな。
時計じかけの名無しさん
1700年台にもゴシックロックファンのガキっていたんだ(笑)。
時計じかけの名無しさん
半信半疑で聞いてくれればいいけど、18世紀に自分の財力を見せびらかす唯一の方法が時計を持つことだったんだ。この時計は、メメント・モリを広めた金持ちの医者の所有物だと考えられている。いや、ゴスロック好きだった子供へのプレゼントとして作ったかもしれない(笑)。
時計じかけの名無しさん
頭蓋骨の裏面なんか、解剖学的にも細部まで正確にできてる。
時計じかけの名無しさん
すごい、こんな時計見たことなかった。1700年台の人たちってメタルロック好きだったんだ(笑)。
時計じかけの名無しさん
俺の親父は時計技師で、俺がまだ10代だった頃、18/19世紀の懐中時計コレクションを手に入レたんだ。そのほとんどが君の時計みたいな鎖引き(フュジーとチェーン)時計だった。親父は壊れたリンクを直そうと小さなチェーンをリメイクしたりしてたっけ。マジすごかった。
時計じかけの名無しさん
それ、ものすごく難しい仕事だよ。君のお父さん、特別なスキル持ってるんだな。その小さなチェーンって自転車のチェーンみたいなやつなんだ。たいていの時計技師は壊れると代わりがないから巻き過ぎるなって言ってくる。手の小さな子供じゃないと作れないようなチェーンなんだ。
時計じかけの名無しさん
全くだよ。でも親父は凄腕の機械オタクだから、フュジーの時計なんていじった経験ゼロだったのに、リサーチして扱えるようになったんだ。本当にすごいメカニズムだからね。
時計じかけの名無しさん
君のお父さん、いまだにこんな古い時計扱ってる?
時計じかけの名無しさん
そうだと思う。でも正直いうと、親父とは疎遠になってるんだ。フュジーの時計は一般的じゃないから、もうあまり扱ってないかもしれない。懐中時計コレクションを手に入れたのもひょんな出来事からだったんだ。一生に一度あるかないかっていうような出来事だったんだ。
時計じかけの名無しさん
とにかく、投稿ありがとう。君の写真を見て昔が蘇ったよ。記憶が正しければ、親父もこんな頭蓋骨の時計持ってたと思う。
時計じかけの名無しさん
度々ごめん。たった今、兄貴と連絡取ったんだ。親父はやっぱりこんな時計持ってたって確認できたよ。年代もほぼ同じらしい。すごい時計を投稿してくれて本当にありがとう。いろんな記憶が蘇ってきた。
時計じかけの名無しさん
とんでもない。チェーンを作れる人がまだいるって知って興奮してるくらいだ。教えてくれてありがとう。君のお父さんを紹介してもらいたいくらいだ。そしたら見是非せたい時計があと2つあって。1つは1804年にアメリカで作られたストップウォッチ付きの時計。これはごく初期のストップウォッチ機能付き時計として知られているやつ。もう1つは半分人間、半分ガイコツのナポレオンがダイアルに描かれた頭蓋骨懐中時計。
時計じかけの名無しさん
それはすごいね。親父は確かに申し分ない職人だったんだ。あのコレクションを手に入れた出来事ってのが変わってるんだ。親父はNAWCC(全米時計収集家協会)の会員で、ある日協会から郵便を受け取った。でも宛名は数件先に住んでる他人宛だったんだ。親父はその郵便を届けてあげて、その老人と仲良くなった。2人とも時計マニアだったから、コレクションを見せあったりね。何年かして、その老人はコレクションを親父に売り渡すことを持ちかけ、親父もそれに同意した。それから少しして、彼は他界したんだ。本当に奇妙な出来事だったよ。
時計じかけの名無しさん
間違いなく今まで見た中で一番クールな時計だ。すごいの見つけたな!
時計じかけの名無しさん
これは博物館級だ。
時計じかけの名無しさん
こういうデザインの懐中時計、どんな人が使ってたんだろう?カルトに入ってた人とか?
時計じかけの名無しさん
そうだとしても金持ちだったろうね。この手の時計は当時、とても高価だったから。今よりずっとずっと高かったんだ。だから、医者とか金の儲かる職業じゃないと入手できなかったんだ。これはメメント・モリのコンセプトを広めた医者が持ってたはず。そのころは50まで生きるのは稀だったんだ。
時計じかけの名無しさん
一般労働者が時計を持つなんて間違いなく不可能だったろうね。特にカスタムメイドの時計なんて無理だよ。メメント・モリか。頭蓋骨を眺めるなんて、現代では考えられないことだよな。
時計じかけの名無しさん
アメリカより古い歴史があるじゃん!
時計じかけの名無しさん
すごい。今まで一体何人の人の手に渡ってきたんだろう。その1人になっただなんて、君はラッキーだよ。
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翻訳・引用元:[pocketwatch] circa 1770
私の兄がこういうセンスでベルトのバックルが骸骨だったり指輪がこんな感じ
腕輪からトゲが生えてたりジッポーライターも
北斗の拳の悪役ファッションなんだわ
こういう時計なら兄の理解が得られるかもとか思ったり