時計じかけの名無しさん
もともと1988年に「Automatic Generating System(自動生成システム)」という名前で発表されたキネティック技術は、腕の動きを通してクオーツ時計を駆動させる機構として有名(普通の自動巻きみたいにね)。あまり知られていないのは、キネティック機構発表の1年前、セイコーはこの8T23、世界初かつ世界で唯一の手巻き式クオーツ時計を世に送り出したことなんだ。
このバカでかいリューズ(2枚目の写真を見るとよくわかるよ)と「FULL CHARGE SIGNAL(完全にチャージされたら赤いランプが灯る)」を見れば、変わった時計だってことがすぐわかる。この時計は巻き上げないと動かない。それも、セイコーが推奨するフルチャージ巻き上げ時間は「3分間」。それで3日間使うことができる。電池交換の必要がないとはいえ、この時計を巻く作業は楽しいとは言えないんだ(3分じゃなくて5〜6分はかかる。指が疲れて、途中で何回か休まなくちゃいけないから)。赤いランプが点灯すると本当にホッとするよ。次のチャージまで3日間巻き上げなくて済むからね。
この時計のコンディションは最高。ケースのマット仕上げは完璧だし、ダイアルには汚れもない。フィールドウォッチっぽい外観だ。このモデルが製造されたのはたったの1年間で、数もとても少ない。俺のコレクションの中で一番レアなセイコーだけど、使うには間違いなく最悪のセイコーだ。セイコーはキネティックウォッチで成功を収めたけど(2007年には手巻き式も追加された)、この8T23は…ちなみに型番は「SBAD001」。(「So Bad no.1」と読み解ける)それが全てを物語ってるんだよね(笑)。
とは言え、クオーツの進化の過程を示す、超貴重な時計だ(発表されたのはブローバの温度差発電時計の3年後、シチズンのエコドライブの10年前だった)。この時計を持つのは喜びだよ。
時計じかけの名無しさん
毎日3分の1分を巻き上げれば?
時計じかけの名無しさん
確かに。でもとにかく、巻き上げ作業は超重労働。指が大変なことになる。
時計じかけの名無しさん
こんなに変わってて独特な時計を見れるなんて、すげえクールだ。こういう歴史のある時計を知るのが好きなんだよね。
メカニズムの出来栄えはイマイチみたいだけど、見た目はぶっ飛んでるよ。
時計じかけの名無しさん
これ、売出し中?
時計じかけの名無しさん
残念ながら、売るつもりはないんだ。このモデルが市場に出るのは1年に2回ぐらいしかないから、eBayとか日本のヤフーオークションを頻繁に覗くといいと思う。
時計じかけの名無しさん
えっ、待って…熱発電の時計ってあるの?
時計じかけの名無しさん
4つあるよ。ブローバのサーモトロンとシチズンのエコドライブ・サーモはここに写真がある。
他に、セイコーのサーミックとモダンなスマートウォッチの「パワーウォッチ」があるんだ。
時計じかけの名無しさん
この時計、いくらぐらい?
時計じかけの名無しさん
直近の取引例でいうと、1000〜2000ドル(約10万4000円〜20万8000円)の間だね。
時計じかけの名無しさん
1988年に売り出された時はいくらだったんだろ。
時計じかけの名無しさん
1987年のカタログには2万8000円ってリストされてる。
時計じかけの名無しさん
巻き上げに5〜6分だなんて、実際使うには最悪だな(笑)。でも、ユニークでコレクター向けだし、赤いランプもクール。シェアしてくれてありがとう!
時計じかけの名無しさん
電気ドリルでリューズを挟むかなんかして、注意深く巻くっていうのはどう?確か、ウブロがフェラーリの時計用にドリルタイプの巻き上げ装置を出してたような。
時計じかけの名無しさん
似たようなことをやろうと思ったけど、道具もないし材料もないから。将来、この時計の価値が出るかもわからないし。
時計じかけの名無しさん
珍しい時計だし、俺だったら巻き上げの煩わしさを避けるためにこの時計を傷つけるリスクは負いたくない。実際使うこともあまりないだろうし。
時計じかけの名無しさん
カッコいいね。こういうカッコいいクオーツはもっと注目されるべき。
時計じかけの名無しさん
この時計について書かれたおもしろい記事を見つけた。
https://www.plus9time.com/blog/2017/12/28/worlds-first-hand-wound-quartz-seiko-8t23ムーブメントはこんな感じ。
大きく丸いのは蓄電器で、リューズを巻くとここにチャージされる。2つ並んだ長いコイルは発電コイルらしい。この機構についてもっと詳しく知りたいな。
時計じかけの名無しさん
昔、オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルを毎朝巻き上げるのが大好きだったんだ。セカセカしないで人生ゆっくり楽しもうってことを思い出させるし、巻いてる1分の間、今日はどんな日になるかなって考えることもできた。リラックスして、心が落ち着いたよ。
時計じかけの名無しさん
俺も機械式を巻き上げる時はそんな気持ちになるかな。でも、この8T23を巻き上げるのは本当に大変で本当に時間がかかる。今試しに時計を1つ巻き上げてみたんだけど、11秒しかかからなかった。これを20〜30個分、いっぺんにやるのを想像してみてよ…!
時計じかけの名無しさん
そしたら、タコだらけの頑丈な指になるだろうな。もしくはひどい関節炎か(笑)。
時計じかけの名無しさん
巻き上げは大変だろうけど時計はクールだ。時計史から見ても興味深い。ところで、秒針は普通のクオーツみたいに1秒ずつ進む?それとも、2秒ごとに進むとか?こんなビデオを見つけたんだけど、日本語の説明がわからなくて。
時計じかけの名無しさん
1秒ごと。でも、パワーが少なくなると2秒ごとに変わるんだ。「EOL(電池切れ予告機能)」の付いたクオーツと同じだよ。
時計じかけの名無しさん
カッコいい。リューズが超デカくて、巻きやすいようにギザギザがたくさんついてるのが気に入った。
時計じかけの名無しさん
最悪なのはわかったはずなのに、欲しい気持ちが抑えられない。
時計じかけの名無しさん
デイデイト表示に何で中国語が書いてあるんだ?
時計じかけの名無しさん
これは日本語、曜日が漢字で書かれてるんだ。当時の日本の腕時計はこういうのが一般的だったんだ。
時計じかけの名無しさん
いいね。70〜80年代の実験的なムーブメントが大好きなんだ。だから、アキュトロンが俺にとって最初の夢の時計だった。
時計じかけの名無しさん
ケースサイズは?
時計じかけの名無しさん
測定用カリパスを持ってなくて。目視だと35mmぐらいかな。
時計じかけの名無しさん
自称セイコーマニアなのに、こんな時計見たこともなかった!マジですごい。
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翻訳・引用元:[Seiko] Seiko 8T23 – A Truly Bad, Truly Rare Hand-Wound Quartz Watch
セイコーはキネティックウォッチで成功を収めたけど
↑そうなん? ちょっと疑問なような