「ブレゲの再来」フランクミュラー 天才の創りだす腕時計
1992年創業の一流時計ブランド。こう聞くとなんだか違和感をおぼえてしまう人もいるのではないでしょうか。現在、一流と評される時計ブランドのほとんどが濃厚な伝統と歴史、そしてさまざまな新時代の技術と戦ってきたブランドであることはその時計を愛する人たち、そして当のメーカーにとっても誇りであり、勲章であることは間違いありません。
しかし、そのような伝統や歴史を構築せずとも、世界中で認められる時計を創りだす天才が存在するのも事実です。「ブレゲの再来」とも評されるフランクミュラーはまさに天才の名を欲しいままにした時計技師です。
by:Frankmuller – フランク・ミュラー – Wikipedia
フランクミュラーの歴史
フランクミュラーは1958年にスイスで誕生しました。スイス人の父とイタリア人の母との間に生まれたフランクミュラーは、幼い頃より機械に強い興味をもっていたといわれています。
やがてフランクミュラーはジュネーブの時計学校に進学、在学中に既にその天才ぶりを発揮していたフランクミュラーは、その時計学校を首席で卒業、卒業制作で作成したロレックスの改良版に永久カレンダー機能をつけたという逸話もあります。
卒業後、フランクミュラーの元には多くの一流メーカーからスカウトがあったのですが、彼はそれらを全て固辞。そして彼はアンティーク時計の修理技師としてその技術を奮っていきます。
世界に衝撃を与え続けるフランクミュラー
そして1986年、ついにフランクミュラーはその天才ぶりを世界に知らしめることになる自身の腕時計を発表。トゥールビヨンを備えた腕時計を創りあげたフランクミュラーは一躍注目を浴びる存在となります。
その後もフランクミュラーは世界を驚かせる複雑機構の時計を創り続けます。遊び心満載の特殊機構を備えた「ヴェガス」
不規則に並べられた文字盤の数字を短針が飛ぶように移動して時刻を表示する「クレイジー アワーズ」
表と裏で全く違う時計を楽しめる「ダブルフェイス・クロノグラフ」
by:Franck Muller Official Website – Haute Horlogerie Watches
銀行員の一言で生まれたという世界3カ国の時刻が同時に表示される「マスターバンカー」など、誰もが思いつかない、そして実現できない時計制作を、フランクミュラーはやってのけてきました。ただ他社のムーブメントを持ってきて載せて販売するというメーカーとは一線を画し、小さくて高度な精密機械をフランクミュラーは一貫して創り続けてきたのです。
by:Franck Muller Official Website – Haute Horlogerie Watches
ケースにも妥協なし
フランクミュラーの時計はケースにも妥協はなく、時計をより美しく見せるケースの開発もフランクミュラーは行いました。そして誕生したのが3次元構造を持つトノウ・カーベックスケース。このトノウ・カーベックスケースと個性的なビザン数字の組み合わせを見れば、腕時計にさほど詳しくない人でも一目でフランクミュラーの時計である、と気付かせる美しさとインパクトがあります。
創業わずか二十数年という短い歴史でありながら、ここまで世界中の人を魅了する時計ブランドはそうはありません。また、フランクミュラーは腕時計技師の凄さを世界に知らしめた人物でもあります。
まだまだ多くの驚きと興奮をフランクミュラーは届けてくれるでしょう。彼は言います。
「人生に挑戦するのに、年齢なんて関係ない。そもそもこの世に時間などない。それは人間が勝手に作ったものだ」
時計という時を刻む機械を創り続けながら、時間を否定するフランクミュラーの作品にこれからも期待しましょう。
関連記事
フランクミュラーのクレイジーアワーズ!最もクールな機構のひとつだと思う
こうした一部の高価格製品以外はただのETAポンガワだけ時計。