時計のコレクションはオメガ、ロレックスといった有名ブランドの最新モデルに目が行きがちですが、アンティーク時計には最近の時計にはない渋みと味があり、クラシックで落ち着いたデザインながらも人目を引く魅力があります。今回は高品質である上に比較的安価で入手できる、アンティーク時計初心者にオススメのオメガを中心にご紹介します。
オメガ
~ジュネーブ~
オールドオメガといえば、1960~1970年代に販売されていたジュネーブというモデルがあります。1960年代当時の販売価格は3~4万円ほど。当時の大卒初任給が概ね2万円強だったことを考えると高級時計だったといえます。デザインにはバリエーションがありますが、典型的なデザインはシルバーのケース、ブレスに白やシャンパンゴールドの文字盤で、ケースサイズはメンズでも35mm前後と小振り。小振りながらもアンティークらしい渋みがあり、スーツにも私服にも合います。そしてムーブメントは普及品のETA社製ではなく(ETA社製の品質は素晴らしく否定しているわけではありません)、Cal.565などオメガ自社製のもので、錆による劣化を防ぐように地板に金メッキが施されています。時計としての精度も素晴らしく(個体差はあります)、製造されて数十年経った今でも正確に時を刻みます。廃盤となっているため中古での購入のみとなりますが、現在の相場は概ね2~5万円ほどです。
~シーマスター・デ・ヴィル~
現在はシーマスターとデ・ヴィルは別のモデルとして製造・販売されていますが、元々は同一のモデルでした。1960年にシーマスターの薄型モデルが販売されました。このときは文字盤にデ・ヴィルの文字は入っていませんでしたが、アメリカにあるオメガの販売代理店の提案によって、文字盤に「デ・ヴィル」の文字が入るようになり、1963年に「シーマスター・デ・ヴィル」というモデルがスタートしました。それから4年後の1967年に、クラシカルでドレッシーなデザインをコンセプトに、フランス語で街角を意味する「デ・ヴィル」は独立したモデルとなったのです。このような歴史のあるシーマスター・デ・ヴィルを腕に巻くのも面白いでしょう。オメガブティックの店員さんですらご存知ない場合もあるマニアックな時計なのです。生産数が少ない割りに、中古相場は6~10万円と比較的お手頃な価格で入手できます。
引用元:立花時計店
ジャガー・ルクルト/ルクルト
~インジケーター~
スイス時計の有名ブランドにジャガー・ルクルトがありますが、このアメリカ市場向けのブランドに「ルクルト」というブランドがありました。ジャガー・ルクルトと同じムーブメントを搭載しており品質は良いのです。さて、このジャガー・ルクルトとルクルトのアンティーク時計には「インジケーター機能」付きの時計があります。1950年代当時の時計といえば手巻き時計が主流で、自動巻きの時計はちゃんとゼンマイが巻かれているのかが判りにくく不安であるということが原因であまり普及していませんでした。そこでジャガー・ルクルトは、文字盤に扇形のメモリを設け、ゼンマイが巻かれているときは白く、巻かれていないときは赤くなるというインジケーター機能付きの時計を開発しました。このインジケーター機能をきっかけに自動巻き時計は普及することとなったのです。この歴史あるインジケーター機能付きの時計を着けると、メモリの色の変化を楽しむことができます。ルクルトのインジケーターモデルだと、中古相場は15~20万円ほどです。ジャガー・ルクルトだと30万円を超えるものもありますが、最近のモデルと比べるとかなりお手頃な価格です。
アンティーク時計を購入する際の注意点
アンティーク時計は当然製造から長年経っており劣化しているものですが、劣化している雰囲気に味わいがありいいものです。中にはメーカー以外の業者が文字盤を綺麗に補修(リダンと言います)しており、メーカーオリジナルの時計とは評価できない代物になっている場合がありますので注意してください。
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日本にも、いいアンティークはありますよね。そちらの紹介なんかも後々書いて頂ければと思います。