腕時計のカレンダー機構、その歴史や曜日や日付機能についてわかりやすく説明！

時計の文字盤には月や曜日、日付を表示するものがいくつも存在します。日付のみの表示は「デイト表示」、日付と曜日の表示は「デイデイト表示」、月、曜日、日付を表示するものは「トリプルカレンダー」「アニュアルカレンダー(年次カレンダー)」そして三大機構の1つに数えられる「パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)」と種類も豊富にあり、日にちを知りたいという利便性を満たし、時を知る魅力を一層高めてくれるものです。

カレンダー機構の歴史

18世紀末から20世紀初頭までの懐中時計では、すでに日付や曜日表示、更にはパーペチュアルカレンダーに至るまで、現在知られているあらゆるタイプのカレンダー機構が登場しました。
20世紀初頭には腕時計にもカレンダー表示機構が使用され、便利に時を知る機能を一層高めていくことになります。

この時期カレンダー表示で思いあたるメーカーはスイスのオーデマピゲ。同社は日付・曜日・月(12ヶ月の月名)をそれぞれ独立させたサブタイトルで針によって表示する腕時計を発表しています。
1920年代には日付を針で表す「ポインター・デイト」と、曜日と月を2つ並んだ小窓に表示する「ダブル・ギシェ(2つの窓の意味)」を組み合わせたタイプも発表しています。こちらのタイプは表示をコンパクトにする事が可能で、個々の情報も見やすい為、現在に至るまで様々なブランドに採用されています。

曜日を表示する「デイデイト」

日付だけでなく、曜日も表示出来る機能を「デイデイト」といいますが、曜日をフルスペルで表示する世界初のデイデイト機能を持った時計といえばやはりロレックスが有名です。1956年に完成されたデイデイトは3時位置に日付、12時位置に扇形スペースで英語のフルスペル表示される特徴を持っています。

曜日の起源

では時計に表示される曜日の起源も合わせて紹介しておきましょう。

1週間が7日制になった起源、これは古代バビロニアから始まったと言われています。しかし各曜日は古代ローマによって作られました。古代ローマでは1日を24等分して一時間ごとに5つの惑星と太陽、月を繰り返し当てはめて呼んでいました。順番は惑星との距離が遠い順で土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月。

そして1日の最初にくる時間が1日全部を支配すると決め、最初の日の最初の一時間が土星の為土曜日、次の日は太陽で日曜日、3日めは月で月曜日、以降火星(火曜日)、水星(水曜日)、木星(木曜日)、金星(金曜日)となり土曜日から始まる7日間で繰り返される曜日が出来上がりました。
その後宗教上の理由から週の始まりが日曜日となり、さらにローマがキリスト教を国教としてから日曜にキリストが復活したことを記念して日曜日を安息日の休日と決め、それが現在に繋がる曜日の考え方になっています。

曜日の表示は英語以外にも、スペイン語、フランス語などの表記も多く、例えばスペイン語であればDOM(ドミンゴ)LUN(ルーネス)MAR(マールテス)MIE(ミエルコレス)JUE(フエベス)VIE(ビエルネス)SAB(サバド)といった形で表示されます。

日付を表示する「デイトジャスト」

ダイヤルの窓にデイト(日付)が表示される初の自動巻き腕時計「デイトジャスト」が誕生したのは1945年の事でした。深夜12時に日付が切り替わる様子は「真夜中の奇跡」と評されたという伝説が今でも残っています。

こちらは12時間で1周する時針の歯車に24時間で一回転する歯車を組み合わせ、この歯車に付けた爪が日付リングの内側に並んでいる突起に噛み合い深夜12時ジャストに1日分先に送る、つまり31/360度回転させるという機能で、現在も様々なブランドで使用されています。

その後1990年代機械式時計が本格的に復活するとドイツ統一によって復活したA Lange & soehneにより1994年「ランゲ1」が発表されました。

このランゲ1にはドレスデンのオペラハウス、ゼンパーオパーに設置されているデジタル時計から発想を得た「アウトサイドデイト」が採用されています。この日付の1と10の位を別々のディスクを組み合わせて表示させる大型日付表示のデザインは他のメーカーに大きな影響を与え「ラージデイト」や「ビッグデイト」と言われトレンドを生み出しました。

時計の進歩により、様々な『時』が新しい表現方法で表されていきます。

それが腕時計のデザインを選ぶ楽しみへと繋がっていきます。

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