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ロレックスオイスターケース。90年受け継がれた技術と未来
現在の腕時計には当たり前のように防水機能が施されています。水に浸かっても壊れない時計というのは常識であり、当然というのが現在の認識ですが、人間が腕に時計を巻くという習慣を始めたおよそ100年前には、腕時計にはそのような防水機能はついておらず、便利であるが不便でもあるのが腕時計の常識でした。
腕時計という小型精密機械の一番の敵は水分です。さらに水分に限らず、湿気や埃などケースの隙間から入り込む異物が機械を狂わせ、故障の原因となっていたのです。そのため、腕時計メーカー各社はこの問題をクリアするために、競って様々な技術の開発を続けました。
その中で他社からも一歩も二歩も抜きん出てついに完全な防水ケースを完成させたのがロレックスです。今回はロレックスの3大機構の一つであるオイスターケースに関して解説していきます。
by:オイスターケース – ロレックスの時計製造
もともとオイスターケースはオイスター社が開発していた
オイスターケースといえばロレックスの名を思い出す人も多いでしょう。「オイスターデイト」「オイスターパーペチュアル」などロレックスの腕時計には、オイスターの名が冠されているものもありますので、オイスターというのは馴染みのある言葉であると思います。
実際のオイスターは牡蠣を意味しており「牡蠣の殻のように固く閉じられたケース」の意味からオイスターケースと名付けられたともいわれています。
このオイスターケースですが、ロレックスの公式見解では1926年にロレックスが開発した、といいうことになっていますが、正式にはイギリスのオイスター社が開発を行っていた技術になります。それをロレックス社がオイスター社を買収してオイスターケースを完成させたというのが正式な話しです。
オイスターケースの仕組み
最低でも水深100m、最高で3900mまでも潜れるという驚異的な堅牢性を誇るオイスターケースですが、構造は裏蓋とリューズをねじ込み式にして完全密閉してしまうという技術です。この技術はオイスターケースが開発された1926年以降、90年にわたってロレックスの腕時計に採用されている技術であり、その信用性が揺らぐことはありません。
海峡横断を遂げたオイスターケース
オイスターケースにまつわる有名な逸話があります。それは1927年、女性スイマーであるメルセデス・グライツがオイスターケースを実装したロレックスを身につけてドーバー海峡を約15時間の時間をかけて横断したというものです。
このような過酷な条件で使用されたにも関わらず、そのロレックスはその後も問題なく時を刻んでいました。これを機に一躍ロレックスはオイスターケースの有能性を世界に知らしめることができたのですが、一説にはこの挑戦はロレックスのプロモーションが大きく絡んでいたともいわれています。
by:ロレックスの歴史: 1926 -1945
進化を遂げていく腕時計
その後、ロレックスを始めとする各腕時計メーカーは技術力を高めていき、腕時計は10000mもの深海を潜り、音速を耐え、そして宇宙空間にまで到達していきます。
なんとなく腕にはめたら便利だったという理由で普及が始まった腕時計ですが、今後、どのような進化を私たちに見せてくれるのでしょうか?
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偉業だったのは間違いないだろうが、黎明期話をいつまで引きずってるのかと思う。