世界にはビジネス上の様々なグループが存在しますが、腕時計業界にもグループが存在します。その中でも世界最大の時計製造グループがスウォッチグループです。

スウォッチグループの腕時計メーカーはもともとは一つ一つが独立したメーカーでしたが、カジュアルウォッチで大成功を収めたスウォッチが他のメーカーを買収していき、現在のようなグループを形成していきました。

18社ものメーカーを傘下に収め、サードパーティー腕時計メーカーにムーブメントや部品を供給し続けてきたスウォッチグループはまさにスイス腕時計業界の巨人であり盟主でもあります。スウォッチグループの歴史と今後について考えていきます。

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by:THE SWATCH GROUP (JAPAN) KK

スイス腕時計業界を救ったスウォッチ

スウォッチグループの名前に冠されているスウォッチは、もともと1983年にスイス市場に投入された安価で高品質なクオーツ式腕時計です。

当時、スイス腕時計業界はクオーツ式腕時計の開発に出遅れていたため業界は混乱の真っ只中。歴史のあるメーカーも倒産を余儀なくされ、日本やアメリカなどのクオーツ先進国に世界一の座を奪われていました。

そんな中でスウォッチは従来のスイス時計の概念を覆す、安価で製造過程も簡単なクオーツ式腕時計として登場。高級志向ではなく、カジュアルに身につけられる高品質な腕時計として世界中で大ヒットしました。

このスウォッチの爆発的普及により、スイス腕時計業界は再び世界一の座を取り戻すのですが、カジュアルファッションのスウォッチが次に目をつけたのは高級腕時計市場でした。

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スウォッチの買収戦略

一つの力を持った企業が他の企業を買収して傘下におく行為は世界では珍しくありません。外資系メーカーの商品などは、一つ一つ辿っていくと元は別々の会社で別ブランドとして販売されていたものの、買収されて一つになった。という話はザラです。そしてスウォッチもそのようにして買収を繰り返し、巨大化していきます。

そしてスウォッチに買収されたメーカーは主に4つのグループに分けられました。

プレステージレンジ・・・高級ブランド(ブレゲ、ブランパン、オメガ、グラスヒュッテ・オリジナル、ジャケ・ドロー)

ハイレンジ ・・・手の届くブランド(ロンジン、ラドー)

ミドルレンジ・・・一般的なブランド(ティソ、ハミルトン、カルバンクライン、ミドー)

ベーシックレンジ・・・安価なブランド(スウォッチ)

スウォッチは買収したブランドをこのようにグループ化することにより、ブランドの差別化を図り、ターゲットを鮮明にしました。また、技術や伝統において非常に長けてはいるが、営業力に乏しいブランドを買収して伝統や技術を守る。といった対応も行ったのです。


ETAの供給停止問題

スウォッチグループが傘下に収めているのはブランパンやオメガ、ハミルトン、ロンジンといったおなじみの腕時計ブランドだけではなく、世界最大のムーブメント会社ETAも傘下として収めています。

ETAムーブは車で例えると、どんな車にも適応できる万能エンジンです。その万能さと安価な設定ゆえ、世界中のブランドがETAのムーブメントを求めてきました。しかしそのような状況にスウォッチは突如としてNOを突きつけました。いわゆるETA2020年問題です。

スイス腕時計業界に衝撃を与えたETA問題も解決に向かいつつありますが、一つのカジュアルウォッチメーカーがわずか30年ほどの期間でここまでの影響力を持つのは凄いことです。

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スウォッチのライバルたち

敵なしのようにみえるスウォッチにもライバルは存在します。ランゲ&ゾーネ、ヴァシュロンコンスタンタンなどを傘下におくリシュモングループ。

タグホイヤー、ウブロなどを傘下に持つLVMHグループなど、スウォッチの牙城に挑むグループはもちろん存在します。スウォッチはこれらのグループにもETAを供給していましたが、その動きが脅威となりETAの供給を停止した、という話もあります。それぐらい現在の腕時計業界は熾烈なグループ間の戦いとなっています。


今後のスウォッチは?

スウォッチは宝飾部門にも参入しようとしましたが、これは失敗に終わっています。また、企業買収も2013年のハリー・ウィストンの買収が最後です。しかし腕時計業界は今後もグループ間の争いが加熱していくことでしょう。スウォッチグループもこれで拡大路線を止めるとは思えません。 他のメーカーも負けじと勢力を拡大していくでしょうから、このようなグループ間の動きを観察していくのも腕時計好きとしては面白いかもしれません。







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